学校紹介

卒業生(12ヶ年)の声

Voice.1

河村波音さん

河村 波音 さん(13期生)

五感が教えてくれた、
素晴らしき「自然の声」。

自然が多くある八千代校舎での活動は、色々な音があふれていて、普段は意識せずに使っていた五感をフル活用できたと思います。

私のチームは聴覚担当だったので、主に「音」を意識して耳をよく使いました。目を閉じて耳を澄まして自然の音を聴くと、普段過ごしている街の中とは違う音が多かったです。自然の音は、気持ちが穏やかになり、心が落ち着き元気になります。鳥のさえずり、虫の音、風の音、葉がこすれる音、全て場所を移動する毎に違っていて、その違いが面白かったです。

また、その音をチームのメンバー全員で目に見える形に具体化しましたが、各々違っていて、その違いも面白かったです。自分の感じ方と他人の感じ方の違いは当たり前であること、その違いを認めて受け入れることが大切だと感じました。

豊かな自然環境が人に与える影響は、私が思っていた以上に大きいものだと感じました。テンポの速い生活リズムの中で過ごしている私たち現代人は、力を抜いたつもりでも無意識に力が入ってしまい、体の緊張感が取れない状態が続いているのかもしれません。改めて自然に触れることは、心身ともにリラックス効果をもたらし、また感受性をはぐくむことができました。

Voice.2

𠮷本拓海さん

𠮷本 拓海 さん(7期生)

生命の尊さを学び、
人間力を大きく成長させた自然体験学習。

現在大学2年生の私は中学1年生の秋、校外学習で八千代校舎でクラスメイトと多くのことを体験し学びました。この校外学習では五感をテーマにキャンパスマップの作成、レンコン畑づくりやたたき染めといった自然を体全体で感じることのできるような活動を行いました。さらに、私たちが八千代校舎へ赴いた年は八千代校舎開設20周年と広島なぎさ中学校・高等学校の開校50周年という節目の年でもあったため、特別に記念碑の製作にも携わらせていただき、思いを込めて桜の花びらを一枚一枚描いたことを覚えています。

これらの活動を終えた後、自分たちの力で夕御飯の作成を下準備から行いました。私は丸鶏を焼き、ローストチキンを完成させる担当でした。他にもヤマメを焼く役割や、お米を炊いておにぎりを作る役割もありました。

そして、食後にはクラス内で立候補した四人の内のひとりとして、満点の星空のもと「銀河鉄道の夜」の朗読を行いました。

この体験から自然への感謝とその尊さを実感することができました。今では自然に感謝することを忘れることなく、毎日御飯をいただいています。また、中学入学以前は人前において積極的に活動することがあまりありませんでした。しかし、この校外学習を通して体験したことのない達成感を味わい、他にも様々なことに挑戦したいと思うようになりました。

この時の経験は中学・高校時代の生徒会執行部の活動や現在の大学生活での積極的な姿勢につながっています。これから先も率先的にいろいろなことに挑戦し、成長していけたらと考えています。

Voice.3

吉田絢香さん

吉田 絢香 さん(12期生)

実体験を経ることで、
身近な社会問題に向き合う。

2年生で行った手引き体験では、実際に白杖を使用して歩行する難しさを体験しました。例えば、段差に白杖が触れたら進むのが怖いと感じました。このような体験を通じて、道具や周りの人のサポートで安心して歩行できることを実感しました。一方、サポート役では相手の歩くスピードに合わせたり、周囲の様子を正確に伝えたりしないと、相手に不安を与え、事故にもつながりかねない重要な役割であることを学びました。視覚障害者の方々の生活について、本などで知ったことを実際に体験することでより一層理解が深まり、様々な視点で物事を考えられるようになりました。これまであまり身近に考えてこなかった社会問題も、実際に体験することでより身近な問題として考えられるようになりました。私は、この「人間科」の授業を通じて、支え合う社会、視覚障害者の方々と共に生きる、そんな社会にすべきだという意識が強くなりました。この授業後、私は日々の生活で白杖の音が聞こえたら道を譲ることができるようになりました。このように、自分の身近な問題として捉え、自ら行動できるようになれたことが私の成長です。

Voice.4

清中麻生さん

清中 麻生 さん(7期生)

デジタルデバイスが高める
クリエイティブな自己表現力

私が高校に入学したと同時に一人1台iPadを持つことになりました。
iPadを用いて授業動画を見ることができたので、分からない単元は動画を見て自分で復習し、理解を深めることができました。また、学習支援システムである「Classi」というアプリを使って、毎日学習記録をつけ、そこにコメントを書いた時は担任の先生が返信してくださるので、コロナ禍のオンライン時でも学習管理ができ、先生に気軽に不安なことなどを相談できました。授業動画と学習記録のお陰で、効率的かつ快適に自宅学習に励むことが出来たと思います。さらに、テスト範囲や学校の伝達事項がオンライン配信されたので、情報が整理しやすかったです。

総合的な探求の時間ではiPadを使って自分の設定したテーマについて調べ、論文を書き、それをスライドにまとめて発表したり、iPadでデータを共有しグループでスライドを作り上げたりした経験は、現在看護学を学んでいる私にとって、患者さんに対するケアのアセスメントを個人またはグループで考えてそれを発表するといったプレゼンの機会や、レポートを書く機会に大いに役立っています。

iPadがあることで、ノートに写しきれなかったときに板書を撮影出来たり、授業以外でも部活時に動画を撮ってそれを見ることにより技術を高めたり、日常の何気ない風景や思い出を写真に収めたりすることができ、より充実した学校生活を送ることができました。これらの経験が現在の生活にもとてもプラスに作用しています。

Voice.5

牧野森さん

牧野 森 さん(3期生)

なぎさで培われたことが、
現在の「やると決めたことは本気でやる」
というメンタルに繋がっています。

今の職業を目指したきっかけ

現在京都大学で、ものづくりの根幹に携わる化学工学という学問を学んでいます。そもそも理系を目指したきっかけは、社会で活躍する人のお話を授業で聞いたり、仕事ウォッチングで実際に職業体験をしてみたりして、ものづくりに興味をもったからです。そして、日本ではその最先端を走る京大の、自由を重んじ、「おもろい」人間を目指せ、という校風に惹かれました。

今後は、自分が製造した商品や携わった商品で人を笑顔にする職業に就きたいです。理系大学院生の就活は修士1年から始まりますが、現在自分も業界や企業について調べたりしているところです。

なぎさでの学校生活の経験で今でも活きていること

文武両道の基本がなぎさ時代に培われたことが、現在の「やると決めたことは本気でやる」というメンタルにつながっていると思います。高校ではサッカー部で練習に打ち込んで、勉強はできるときにするといった生活でした。試合の前日などは時間も限られますし、なるべく最小限の時間で宿題を終わらせるようにしていました。振り返ると、短期間でスイッチを切り替えて集中する癖を身に付けることができたなと思います。大学では別のスポーツを選んで主将も経験しましたが、勉学との折り合いもつけることが出来たと思います。

また、高校二年時に経験した一年間のアメリカ留学も人格形成に大きく影響したと思います。面白いと思ったことは何でも挑戦するという意欲が現在の自分の軸にもなっています。

現在に至るまでに努力したこと

大学で打ち込んだ少林寺拳法という競技には、大学生から始める人口が多いという特徴があります。大学でも本気になれるものを探していた自分にとって、ほかのスポーツなどに比べてスタートラインが同じであるという点が魅力的で入部を決めました。そして主将を務めた昨年度も、たくさんの挫折や努力を経験しました。特に、後輩の指導には力を入れました。一昨年から昨年にかけては、感染拡大によって絶えず状況が変化し、大会が次々に無くなっていく不安定な時期がありました。そんな中いかに練習場所と時間を確保するか、どのような練習内容にするべきか、などといったことを考え続け全員がやりがいを持って練習ができる環境づくりに努めました。結果、例年より少ない練習時間の中、昨年末の後輩にとっては初めての大会で関西6位の結果を残すことが出来ました。

後輩たちには、今後も活躍してもらいたいと思っています。

これから、なぎさを目指す小学生や中学生へメッセージ

なぎさには、どのようなイメージがありますか。校舎がきれい、キラキラしてる、そんな感じでしょうか。これからどんな中高生活を送るのか、わくわくしてくるような魅力がなぎさにはあると思います。部活動に全力を注ぐのもよし、勉強に全力を注ぐのもよし、用意されているたくさんの課外活動に全力を注ぐのもよし。

なぎさ中学高校では、自分の興味を探求する環境がそこら中に広がっています。そんな充実した学校生活を送ることで、自分の可能性が広がると思います。「自分の好きなものがわからない、興味なんてない」と思う人もいるかもしれません。安心してください。なぎさの友達が、先生方が一緒に探してくれますよ。

Voice.6

白石託未さん

白石 託未 さん(8期生)

大学入試に向けて重点的に取り組んだこと

とりわけ英語を得意にしようとしました。受験において必要なのは言うまでもないですが、論文や本など英語で書かれた情報は、日本語のそれよりもはるかに多く、自分自身の世界を広げる手段としても必要だと考えました。高校三年間を通じて、小テストをペースメーカーに、単語や文法など、最低限覚えなければならないことを覚えました。また、感覚が鈍らないように、日々できるだけたくさんの英語に触れるようにしました。そのために、長文問題はたくさん解き、先生に採点してもらいました。英語は読めるようになれば、本当に楽しいです。また、苦手科目を作らないように、どの教科もバランスよく勉強時間を確保しました。得意科目といえども、常に点数の低い科目をカバーできるほどの点数が取れるわけではありません。全科目がそれなりにできていれば、進路の選択肢が広がり、かつ個々の科目の点数にばらつきはあれど総合点はぶれなくなります。

学習面以外で取り組んでよかったと思うこと

生活のリズムを作ったことです。私の場合、学校のある日は、朝7時半くらいに学校に来て、19時半(土曜日とかなら16時)まで残っていました。このサイクルを作ることで、時間の管理がうまくいくようになり、一日にどのくらい勉強できるか、さらにはどの時間に何を勉強するのかといった感覚が掴めるようになります。また、友人たちと楽しく話をすることも良かったです。休憩時間は勉強するという手もありますが、友人たちとたわいもない話をし、その中で勉強の相談などをすることで、気持ちが楽になりました。私は、面白い友人たちとともに、良い受験ができたと思っています。

なぎさでの十二年間を振り返ってみて

色々なことがありましたが、総じて非常に楽しかったです。小学校なら沼田での活動やビオトープ、中高なら研修旅行や夜間歩行(昼でしたが)など、勉強だけでなく沢山の体験があるからこそ、視野が広くなったように感じます。勉強ばかりしていては、頭でっかちになるだけですから。また、どの先生も非常に親身になって教えてくださいました。自分なりのやり方を持ちながらも、先生方の助言も取り入れることによって、より深い学びが可能になりました。先生方と良い関係を作ることができたので、塾にも行かず、学校で完結させることができました。

大学生活の抱負

なによりも勉強を楽しみたいです。大学一、二年生の間は、教養学部なので多くの学問に触れられます。興味あるものにどんどん挑戦してみたいです。また、自分自身とは違う考えも持った人たちと出会い、話をしたいです。自身とは異なる思いを持つ人と関わることで、他者を理解する力や、自身の考えが深まっていくのだと思います。そのために、海外にも行くつもりでいます。

大学入試をする人に向けて

あまり効率を追い求めないことを勧めます。時間をかけすぎることが良いこととは思いませんが、それでも何かを理解するためには、じっくり時間をかけて考えることが必要です。そうして自分の考えの中で得られた理解は、抜け落ちにくく、他の教科などで得られたものつながることで、さらに広がった思考ができるようになります。また、勉強を楽しんでほしいです。点数や順位や判定といった指標で評価されてしまうところもありますが、本来学びは楽しいものです。そうして知ることの喜びが分かれば、合格、不合格以上に人としての豊かさが得られるのだと思います。

Voice.7

新庄健さん

新庄 健 さん(8期生)

多様な出会いの場

私はなぎさに小学校から高校まで在籍し、本当に充実した12年間を過ごすことができました。その中で私が感じたなぎさの最も大きな魅力は多様性であり、学校生活の様々な場面で私を成長させてくれました。

まず、なぎさには個性あふれる様々な生徒と、その個性を尊重する環境があるということです。特に自分が興味関心を持っていることに熱中する生徒は多く、学問やスポーツだけでなく、芸術や国際交流などの学校の枠を超えたものまで多岐にわたります。先生方はそのように生徒が自分の個性を発揮しようとすることを歓迎してくださり、悩みを抱える生徒には納得するまで真摯にサポートをしてくださいます。私自身は中高6年間陸上部に所属し、その環境の中で夢中になって目標を追いかけることができました。それぞれの分野で高みを目指して切磋琢磨した多くの友人、私のわがままにとことん付き合ってくれた先生方の存在はかけがえのないものであり、本当に感謝しています。

次に、なぎさのプログラムは多種多様な学びの機会を提供してくれると同時に、そこから何を学ぶかは生徒一人ひとりに委ねられているということです。なぎさには様々なアプローチで社会に関わり、貢献される方々との出会いが数多くあり、社会や人生へのまだ見ぬ価値観に触れることができます。しかし厳密な学習目標は決まっていないので、その出会いから得た感覚そのものが自分の学びになり、それをほかの人と共有することで学びの幅は大幅に広がります。このような予測不能な学びの広がりは、生徒が持つ個性に寛容ななぎさならではの体験だと思います。

広島なぎさ中学校・高等学校では基礎的教養を得ることはもちろん、なぎさにしかない予期せぬ出会いのできるチャンスがたくさんあります。ぜひ、なぎさで刺激的な毎日を過ごし、思う存分楽しんでください。