広島なぎさ中学校・高等学校SCHOOL_GUIDE_2026
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室川万裕さん(5年生) NAGISA22生口島から四国今治へ、夜を徹して波静かな瀬戸内海・しまなみ海道を歩き続けます。距離は、約43㎞。茜色に染まる夕日と満天の星の輝き、穏やかな波音に心奪われながら仲間と語り合って歩くと、翌朝のゴールは静寂の感動に包まれます。歩き続けることに何の意味があるのだろうか、そう不安になりながら自分の内面に問いかけてみることも大切な学びです。しかし、その問いかけは、苦労し努力した者だけが味わえる充実感に満ちた結果に必ずつながっています。 高校からなぎさに入学して初めての大きな学年行事は、しまなみ海道を夜通し歩く「夜間歩行」でした。40kmを超える道のりを完歩できるか不安でしたが、この行事を通して、なぎさならではの学びを体験し、多くの気づきを得ました。 道中はやはり疲れましたが、友人や先生と一緒に…人との関係の中で大切になるのは、協調性や主体性です。生徒たちは学校生活の中で人との交わりの大切さに気づき、他者理解力や相互協調力を鍛え、適切な“距離感”を身につけていく必要があります。本校では、日々のHR、班活動、清掃作業、授業でのグループ活動、「人間」の授業、行事、クラブ活動など、あらゆる機会を捉えて意識的にそれらを育む場をつくっています。生徒たちには「どうして?」「なぜ?」と徹底的に考えようとする力や、失敗から学ぼうとする力が必要です。振り返ったことを活用しようとする力はとても重要です。更に自分の将来や人生について真剣に考える時間も必要です。授業での周到に練られた発問や課題、進路指導や「人間」の授業、行事、クラブ活動の場が、考え抜き悩む機会をもたらしています。困難な「壁」にぶつかった時、いかに逃げないで乗り切ることができるか。大切な約束や責任をきちんと遂行できるか。純粋な我慢強さと粘り強さ、自律性や忍耐力がこのような時に発揮されることが大切です。日々の宿題や課題、係活動の責務をきちんとこなすことからはじまり、クラブ活動や夜間歩行などの行事の中で、これらの力を育みます。いわゆる基礎体力は何をする上でも大切なものです。また、危機回避能力や環境適応力、更に、自分の体調をコントロールする力も重要です。「体育」の授業で縄跳びを通した骨づくり、保健室からの数々のメッセージや健康教育、クラブ活動や研修旅行などの行事で健康管理を行うことで、その力を育てていきます。他者を思いやる気持ち、誰か(何か)のために役立ちたいという気持ちをもつことは、人として当然のこと。自分がどのような状況に置かれても、「愛」力を発揮できることが大切です。そして、共感的理解や受容力が、更に「愛」力を揺るぎないものにします。生徒たちの心にそういった思いを育む仕組みが、本校全ての教育活動に組み込まれています。〜人とのかかわりを学ぶ〜〜徹底的に自分で考える〜〜粘り強く困難を乗り越える〜〜自分の体を知る〜〜思いやりの心を育む〜あいだなやむきもからだあいメッセージの続きはこちらからPoint夜間歩行ただ歩く、ひたすら歩く。苦労も感動も宝物に。Student’s voice自分の成長を感じた40km01間力02悩力03胆力04体力05愛力人として成長し次代を生き抜くための5つの力

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